この文章を読んでくださっているみなさん、かがみの孤城は読まれましたか?
今更ながら上巻を読んだので感想と、下巻に向けて軽く考察をしていきたいと思いますので、上巻だけ読んだ方や、時間のある方はもしよろしければ読んでいってください。
すでに読まれた方はあらすじが長いので感想、考察の箇所から読んで頂ければと思います!
2018年本屋大賞受賞作!
本屋大賞『かがみの孤城』が文庫化 稲垣吾郎、中江有里らも絶賛の成長物語https://t.co/CnF0kgAwg5 @poplarsha @tsujimura_joho_
同作は直木賞作家・辻村深月さんの最高傑作とも称される一冊だ pic.twitter.com/vgd8FYjj3r
— Book Bang (ブックバン)本紹介 (@BookBang_jp) March 13, 2021
まずかがみの孤城とは、辻村深月さん著の小説でポプラ社から出版されています。
2018年には本屋大賞も受賞されており、2022年にはアニメ映画化もされました。
そんな作品を読みましたので感想、そして考察をしていきます!
あらすじ
鏡の中に入る主人公こころ
中学1年生のこころは、ある出来事がきっかけで学校に行くことができなくなってしまいます。
学校に行けない子供達が通うスクール「心の教室」には喜多嶋先生という優しい先生もおり、ここなら通えそう、と思いますが行く当日になるとお腹が痛くなり、結局スクールにも行くことができません。
こころは、日頃は自分の部屋でだらだらと過ごしていることが多いのですが5月のある日、部屋にある姿見が光っていることに気づき、手をかざしてみると鏡を通り抜けて体ごと中に入ってしまいます。
気を失っていたこころが声に反応して目を覚ますと、そこには狼のお面を被った小学生くらいの女の子がおり、その奥には立派なお城が建っていました。
狼のお面の女の子が「おっめでとうございーます!」と言いますが、怖くなったこころは入ってきた方向に光っている鏡を見つけ、戻ろうとします。
女の子が「なんでも好きな願いを一つ叶えてるんだぞ」と引き止めようとしますが、それを振り払い戻ります。
戻ったこころは「なんだったんだ」と思いながらも、もしまた光ることがあったらもう一度入ってみようかなと思うのでした。
そして鏡は次の日も光り、鏡の中に入ると今度は昨日見た城の中で、そしてそこにはこころと同年代くらいの子どもたちがこころを合わせて7人。
そして狼のお面を被った女の子もあらわれ自分のことをオオカミさまと呼べと言い、なぜ7人がここに集められたのか説明を始めます。
願いが叶う城
オオカミさまが言うにはこの城の中には願いの部屋というものがあり、そこに入れた一人だけに願いを叶える権利が与えられる、入るためには鍵が必要だが、その鍵を3月までこの城の中で探してもらうとのこと。(現在は5月)
一通り説明を終え、オオカミさまが消えた後に自己紹介を始める7人。順番に、
ポニーテルの女の子アキ、中三
こころ
イケメンの男の子リオン、中一
眼鏡をかけた声優声の女の子フウカ、中二
ゲーム機を持った生意気そうな男の子マサムネ、中二
ロンみたいなそばかすの物静かな男の子スバル、中三
小太りで気弱そうな男の子ウレシノ、中一
なんとなくみんなが学校に行っていないことがわかりますが特に言及せず、最低限の自己紹介をしてそのあとはすぐに解散しました。
しばらく城へは行っていなかったこころですが、久し振りに城へ入るとマサムネとスバルが部屋でゲームをしていました。
マサムネは親と学校が揉めて親から学校には行かなくても良い、と言われていると話してくれましたが、スバルはあまり聞いて欲しくない様子。
しかし3人でゲームをして少し打ち解けたこころは次の日以降も城に行くようになります。
学校に関する話はタブー
次の日もマサムネとスバルと反しているとポニーテールの女の子アキがやってきて楽しく話をしますが、こころが学校に行っていないということを話題に出すと急に態度が冷たく変わり、今日は城の中に一人ずつ用意された部屋にいる、とその場を離れます。
そして昼になって一度自分の家に戻ろうとしたところでフウカと会いますが、挨拶程度。
午後からまた城に行くと今度はウレシノがきており、マサムネたちとゲームをしていました。
そしてウレシノの願いがアキと付き合うことだ、とマサムネがばらします。
ひと目惚れで、ここに来て一週間ほどで告白したようですが断られ、アキも居心地が悪い様子。
ひと目惚れという言葉にまだ中一のこころは戸惑いますが、その後持ってきたりんごをみんなに剥いてあげると一人で鍵を探しに行きます。
しばらく探していると夕方に来たリオンと出会い、少し話をしてからみんなのいる部屋へ戻ると、ウレシノから「今彼氏いるの?」と聞かれます。
マサムネから「御愁傷さま」と言われウレシノのターゲットが自分に移ったことを察したこころ。
そこにいたフウカが「ばっかみたい」と言い、こころに言った発言ではないだろうとは思いながらも、学校に行かなくなったきっかけの出来事を思い出しながらこころは、こんな恋愛至上主義のウレシノは学校に馴染めなくても当然だと思うのでした。
城にも行かなくなるこころ
その後も城に行きますが、ウレシノから質問責めにあったり、つきまとわれたりして居心地が悪くなります。
また、以前のウレシノの願いがアキと付き合いたいことだったことから、今は自分と付き合いたいという願いに変わっているかもしれないと考えます。
もしウレシノが鍵を見つけてこころ付き合いたいという願いを叶えると自分の今の気持ちが変わってしまう、変えられてしまうのではないかという恐怖を覚えます。
そんなことを考えるうちに城に行くのが億劫になり、1日明けて城に行ってみるとアキとフウカが仲良く話している様子が見えました。
二人が、こころの知らないうちに仲良くなっている疎外感と、フウカの「ばっかみたい」という発言が脳裏に浮かんだこころはその光景を見て自分の家に戻ってしまいました。
こころが学校に行かなくなったきっかけ
自転車通学のこころが学校の駐輪場にいると、同じ中学校に進学した小学校時代の同級生池田仲太が「お前みたいなブス大嫌いだから」と突然言い残して去って行きました。
こころのクラスには真田美織という気の強いいわゆる一軍女子がいたのですが、その真田さんが付き合うことにした男の子が、小学生時代こころのことを好きだった池田くんでした。
池田くんが小学生の頃こころのことを好きだったことはこころの耳にも届いていたのですが、その話を知った真田さんが池田くんに上記の指示をしたのです。
近くで見ていた真田さんは、
「仲太、お前のことなんか好きじゃねえんだよ!」
「無視してんじゃねえ、ブース!」
「ばっかじゃないの、マジ死ね」
と言い放って去って行くのでした。
5日ぶりに城へ行くこころ
ウレシノに諸々の行動を迷惑だということを伝えようと決心し城へ行ったこころですが、行ってみるとウレシノは興味の対象をこころからフウカに移しており、フウカがウレシノをあしらっているところに出くわし、呆れるのでした。
怒り出すウレシノ
城に出入りする女子メンバーに対しては真田さんにされたトラウマも話し、その後はフウカや男子メンバーたちとの仲も縮まり、城の中の生活が心地の良い空間になってきていた時でした。
アキやスバルが髪を染めたり恋人を作ったりと、他のメンバーと明らかに異なる、充実した雰囲気を醸し出し始めていたのですが、
ウレシノが突然『2学期から学校に行くから!』と怒り出しました。
みんな学校に行けてないんだろう、と。
ウレシノは女子たちを順番に好きになったことをきっかけに城に集まるみんなにからかわれ、そしてバカにされ、軽く見られていました。実際にみんな心当たりがあり、ウレシノはそれに耐えかねていたようでした。
そして2学期が始まって少し経ち、ウレシノが傷だらけで城にやって来ました。
先日のウレシノの発言に対して、自分たちのこれまでの行動に罪悪感のようなものを抱えていたみんなは何かを察し、特に何も言わずマサムネが、遊んでいたゲームで「遊ぶか?」と聞いただけでした。
願いを叶えると
ある日アキとマサムネがみんなを呼びだし、鍵探しについて提案を始めました。
それは、みんなで鍵を探して見つけてもギリギリまでは使わないでおこうということ。
実はマサムネたちは必死に鍵を探していたようですが見つからなかったようですが、みんなもその提案に賛成しました。
するとそこにオオカミさまがやって来て言い忘れていたことがあると、話を始めました。
その内容は、願いを叶えるとここの中での記憶はなくなってしまうということでした。
驚く一同でしたが記憶がなくなることに関しては否定的なようで、結局ギリギリまで願いを叶えないでおこうという話はうやむやになって終わりました。
全員同じ中学校出身だった
ある日こころが城に行くとアキが中学の制服を着てソファに座っていました。
祖母の葬式の後だったようですが、その制服を見て、こころ、そしてその後から来たマサムネたちも驚きます。
それは制服が、自分の中学のものと同じだったからです。
その後全員集まりますが、全員が同じ中学だということが判明しました。
こころ、ウレシノ、リオンが一年、
フウカとマサムネが二年、
アキとスバルが三年、
小学校が同じ人たちもいるもののお互いに面識がなく、中学では全員クラスも違い、面識なし。
3学期の始業式は学校に行くことに
冬休みになったところでマサムネからみんなに提案がありました。
マサムネは自分だけでなく、親も今の中学に行くことを反対しておりこのままだと3学期になる前に、親が信頼できるような中学に転校するように準備を始めるとのこと。
そうなるとこの城へ来ることができなくなる可能性が高いので、始業式だけは学校に行くことで、冬休み中の準備をやめさせ、せめて3月まではこの城に来られるようにしたい、だからみんなで学校に行かないかという提案でした。
教室に行くことは怖くて難しいが、図書室や保健室でも良いなら、とマサムネの気持ちがわかるみんなも協力することになります。
とここで上巻は終わり下巻に続きます。
感想
まとめるのが下手で長くなってしまって申し訳ありません。
実際にはニュアンスが違ったり飛ばしていたりする箇所もありますので、実際に読んでいただくことをお願いしたいですがおおよそこのような内容となっております。
こころについて
まずこころに関しまして、池田くんと真田さんから受けたトラウマの行為については両親に話しておらず、学校に行っていない理由を途中まで両親は知りません。
あんな出来事があった後に真田さんは他の女の子を連れてこころの家の敷地の中に入ってきて、出てこい!と窓を叩いて呼び出そうとするという怖い出来事もあったのですが、それについてどう話せば良いか、正しく誤解されずに伝えられるかがわからないのでいっそのこと黙っておこうということで相談もせずいたのでした。
1番身近にいて頼れる親だけれど、唯一の頼れる存在だからこそ、そこで誤解されると味方がなくなってしまう、ということを考えると狭い世界で生きている中学生としてはとても理解できる行動だと感じます。
事実は知らない親だけれど、事情を知らないからこそ今以上には離れてはいかない存在として、わずかな希望として、両親をとって置いておきたいという感覚なのかなと。
私も、友達が多くないからこそ合わないと感じたり些細なことで疑いを持ってしまったりして、離れていってしまうと喪失感が大きいだろうと考えると、少しの誤解も致命的になるかもしれないと、とても怖くなりました。
自分の居場所はたくさん作るべきだという話は聞くけれど、そういったことができない人にとっては人との接し方がとても繊細で大切だなと感じました。
マサムネについて
あまりマサムネの雰囲気、性格などについてはあらすじの中で詳しく書いていませんでしたが、最初は素直ではなく思春期の男の子がカッコつけたり、人をからかったりするような、ちょっと嫌なやつというイメージでした。
過剰に人を馬鹿にするようなこともないですが、自分の思っていることを素直に言うような人物でもないと思っていたので、鍵を探すことや3月まではこの城で過ごしたいのでみんなに学校に来てもらうことを協力してもられないかと提案、お願いをしたり、そんな素直なんだと、正直驚きました。
私は今だに素直に自分の意見を言うことに恥ずかしさを感じます。
素直に意見が言えることは素晴らしいことだなとよく感じることではあるのですが、全然できそうにないです。
中学生の頃なんて一番素直になれずカッコつける時期だと思うのですが、そう考えるとマサムネは大人なんだなと感じました。
考察
時代が違うのでは
いきなりですが、こころたち7人は生きている時代が違うのではないかと思います。
つまり時間ものの小説なのではないかと思っています。
近くに住んでいることがわかった後の会話で、あらすじに書いていない箇所で噛み合っていない会話をしている箇所が何回かあります。
喜多嶋先生
まず、ウレシノが近くのスクールに優しい先生がいると話しています。
こころが詳しく聞くとその人は『心の教室』の喜多嶋先生だということが判明します。
こころは「綺麗な先生だよね」と言いますがウレシノは、ピンと来ていないような反応です。
城の中の3人全員のことを順番に好きになるウレシノが、少しでも綺麗な先生のことを綺麗だと認識するのは当然のことのように思いますが、そう思っていないということはウレシノの時代ではある程度歳をとっているからと考えることができるのではないでしょうか。
買い物場所
また、買い物をいつもどこでするかという話になった時に、こころがショッピングモールでしていることを話すと、アキはピンと来ていない様子でした。
地域にショッピングモールができれば、いくら学校に行ってないといっても知らないことは考えづらいです。
クラス数・小学校が同じなのに知らない
またフウカの認識している中学校の各学年のクラス数が、他のメンバーと認識が違ったり、
リオンとウレシノに関しては同じ小学校で同じ学年なのにも関わらず顔も知らないとのことで、さすがに不自然だなと思いました。
そこで違う時代から来ているので話が噛み合わないのではないかと思ったわけです。
もしかしたら読んでいて同じことを考えた人も多いのではないかと思います。
年齢順に並ベると、、、
アキとスバルは商店街で買い物しているといっていたので、ショッピングモールがあるこころの時代より前の時代だと予想、また喜多嶋先生の年齢に関する考察からウレシノはこころより後の時代だと予想して、、、
アキorスバル⇨こころ⇨ウレシノ
全員ではないですが、このような時系列なのではないかと考えています!
喜多嶋先生はアキ!?
そして最後に、喜多嶋先生はアキのなのではないかと予想します!
アキがこころたちより前の時代の人間で、この城の中での経験からスクールの先生になることをめざした、と考えると私の考察とも一致しますし、女の子ですから結婚し苗字が変わることも大いに考えられます。
アキはスクールや喜多嶋先生のの存在を知らないようでしたので、この城での一年が終わり大人になったアキが『こころの教室』を作ったのではないかと考えます!
アキは、現実世界ではもしかするとこころやウレシノだとわかって接しているのかもしれません。そうだったら激アツの展開ですよね。こころたちがアキだと気付いた瞬間を見てみたいです。
まあ考察が当たっていたらの話ですけどね笑
まとめ
すでに下巻は買ってあるので読むのが楽しみです!
制服がみんな同じということだったので、そこまで時代は離れていないのかなとも思いましたが、それはどこかに置いておいて、ただ考察するのは楽しかったです!笑
感想記事を書くかわかりませんが、ツイッターにでも書くかもしれません。
馬鹿だなと思ったら、恥ずかしそうに弁明しているつぶやきでも見に来てください。笑
ここまで長い間ご覧いただいてありがとうございました!
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